卸・小売

【知事賞】有限会社稲垣石材店

「石の価値をすべての人に届ける」石の器INASE

昭和2年創業の老舗石材店、墓石中心の事業体制からの脱却!
石の端材を用いた食器製作により新分野へ進出し、石のもつ可能性を広げる。石の魅力と石屋の技術力を一皿に。伝統産業の技術継承にも貢献。

企業等データ
設立昭和63年4月25日
所在地岡崎市上佐々木町字中切8-5
従業員数6名
URLhttps://www.stone-world.co.jp/
資本金500万円
TEL0564-31-6879
事業者紹介
一世紀にわたり、石とともに歩み続けた石材店。

先代が育んできた「石の価値」を、より多くの人へ。
初代 稲垣清市が興した稲垣石材店は、まもなく創業100周年を迎えようとしている。
清市は、戦時中にも徴兵を免れるほどの小柄な体格であった。
しかし、その小さな体で、時には7尺を超える巨石と向き合い、多くの石像を残した。
創始者が腕一本で築き上げた歴史と技術は、絶えることなく受け継がれ、北海道・松前城へ赴いての数ヵ月にわたる石垣修繕事業や、京都五山の一つ建仁寺に納めるための石像づくり、2代目 稲垣英夫の伝統工芸品産業大賞受賞など、稲垣石材店は今日に至るまで、石という自然物を通して幾多の出会いに恵まれ、石とともに歩みを重ねてきた。
私たちはこれからも、永きにわたって受け継いできたものに恥じぬよう精進し続け、石の価値をより多くの人々に伝えていく。

サービスの経緯と目的
石の価値をすべての人に届ける

“石”という自然物が人の手にふれる機会を失いつつある中、石屋でさえ気づかなかった石の“価値”に光をあててくれたのは、豊かな感性で石の重厚さや繊細さを汲み取り、独自の世界をつくり上げていく料理人。彼らと対話し、試行錯誤を重ねて、“石の器”が生まれた。
石の美しさと石屋の技術が一流の仕事人と出会うことで、双方にインスピレーションが生まれ、一皿の感動がさらに際立っていく。その体験は、私に石のもつ可能性を信じる勇気を与えてくれ、「石の価値をすべての人に届ける」という一期を捧げるに値する仕事を授けてくれた。
創業者、稲垣清市の代から100年つづく魂をINASEという名前に込めて、石にふれる、一人ひとりの心に、一石を投じていく。

サービスの特徴と独自性
全ての石を活かす

「石の器」は、お客様よりご依頼を頂いてから、一点ごとに、一からつくり上げる。
お客様との対話から得られる反応や発見を大切にし、その最適解となり得る素材を求めて石をハンティングし、職人の繊細な手仕事によってイメージをかたちにする。
使用する石には極力端材を活用し、本来であれば産業廃棄物として処理されるだけであった石に新たな命を吹き込む。
どれだけ小さい石であっても、それは何百万年から何千万年以上の時を経て生み出された貴重な資源。
その資源を余すところなく活かし、石の新しい価値を世に送り出していく。

サービスの成果・社会や地域に対する影響
石の新たな活躍の場

石の器INASEとして本格的にスタートしてから2年近く経ち、顧客数は50を超えた。
レストランなどの飲食店はもちろん、ギャラリー、ホテル、デザイナー、食器販売業者、設計事務所など、石を求める様々なジャンルの方たちと共創した製品が生まれた。
売り上げも順調に推移し、いずれは稲垣石材店のメイン事業である、墓石事業に迫るのではないかと思わせる成長ぶり。
また、地域イベントや催事への出店依頼なども増え、より多くの方々に石の価値を届けることができるようになった。
本事業を通じて岡崎の伝統産業である石材業の価値を発信し、後世にこの伝統を残していけるよう今後も精力的に活動していく所存。

コメント

社長・担当者からの一言

石の器を通じて出会ったお客様から、「石って良いね」「かっこいい」「素敵」
などどいったお言葉を多く頂戴する。
これは石屋の人間として非常に喜ばしいことであり、石屋であることを誇りに感じる。常務取締役 稲垣 遼太 

※このページの情報はすべて2022年1月現在の情報です。