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【知事賞】河田フェザー株式会社

環境保全及び障がい者雇用に寄与する羽毛リサイクル

焼却処分されるはずだった使用済み羽毛製品を回収・洗浄加工することで新たな羽毛製品へと再生する羽毛リサイクル事業。

企業等データ
設立1963年7月17日
所在地名古屋市中村区草薙町一丁目31番地
従業員数67名
URLhttps://kwd.jp/
資本金4,320万円
TEL052-411-3111
事業者紹介
安心・安全の高品質な羽毛をお届けする

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当社は、国内外から良質の原料を仕入れ、国内工場で精製し、確かな品質の羽毛を提供することに尽力してきた。高品質な羽毛を精製することを貪欲なまでに追い求め、羽毛製品を安心して使っていただきたいという思いで清潔な羽毛を精製するために環境や技術、品質へのこだわりを追求し続けている。羽毛の精製に最適な場所で羽毛に付着したアカやホコリを徹底的に取り除き、きめ細かな超軟水で洗浄加工した清潔な羽毛は、高品質で安全で安心して使うことができる。また、使い終わった羽毛製品を回収し、製品を解体して中身を取り出した後、洗浄し、適正な処理をすることで、本来の機能を回復させる羽毛リサイクルも行い、次世代に良質な羽毛を未来へ残していく。

サービスの経緯と目的
良質な羽毛を未来に残していく羽毛リサイクル

リーマンショック以降、食肉産業が値段の安い水鳥販売に舵を取り、急速な超短期飼育が主体となり、副産物である羽毛は粗悪なものになった。過去に日本で大量販売された良質な羽毛をリサイクルすることで次世代に良質な羽毛を供給できると考え、廃棄された羽毛製品を回収し、洗浄加工する羽毛リサイクル事業を開始した。焼却される羽毛の回収・リサイクルにより炭素固定を推進し、二酸化炭素の削減にも繋がる。現在、自治体やアパレルメーカーの店舗などで回収を行っているが、まだ多くの羽毛が焼却されているのが現状である。より多くの人に羽毛リサイクルについて周知し、羽毛循環社会を構築していく。

サービスの特徴と独自性
独自に開発した設備を用いた高い洗浄・回復技術

羽毛は食肉産業の副産物であり、貴重な天産物でもある。そして、繰り返し洗浄・回復加工をすることで100年以上使用が可能である。回収した羽毛は、大台山系より湧き出る洗浄に最適な超軟水かつ強還元の水素水、そして独自に開発した設備を用いた高い洗浄・回復技術と創業より培われた羽毛の厳しい品質検査基準によって他社とは一線を画す高い品質を実現している。
また、回収した羽毛ふとんの解体作業を障がい者支援団体(名古屋市港区「社会福祉法人すぎな」、明和町「社会福祉協議会ありんこ」)に依頼し、障がい者への就労支援を行っている。ゴミの減量による二酸化炭素の削減に加え地域福祉・雇用促進にも貢献している。

サービスにおける生産性向上のポイント
リサイクル羽毛の循環の流れ

当社は1983年より、全国のホテル向けのリサイクル事業を開始しており、37年以上の実績がある。2020年から一般消費者向けに事業を拡大し、回収については、行政および民間を通じて安定的に行うシステムを構築した。特に民間では寝具・アパレルメーカーの店頭で回収BOXを備えてもらい、製品購入者との繋がりが生まれた。再生化については解体した羽毛のアカやホコリ、汚れを徹底的に除去し安全・安心・清潔なリサイクル羽毛として蘇らせ、新しい製品として生まれ変わらせている。地球環境へ配慮したものづくりに意識改革が進む中、さらに回収を強化し安定供給を図り、環境にやさしく資源の循環により次世代に繋げる事業として進めていく。

サービスの成果・社会や地域に対する影響
環境保全及び障がい者支援

羽毛リサイクルにより、昨年実績として63tの二酸化炭素を削減した。加えて、全国各地で啓発に努め、地域密着型のプロジェクトを行い雇用促進に繋げている。たとえば、回収した羽毛製品の解体を本社工場の地元三重県明和町社会福祉法人ありんこの障がい者の方々に依頼しており、障がい者就労支援を行っている。また、名古屋市では社会福祉法人すぎなでも、昨年から羽毛ふとんの解体作業が開始した。2019年秋には、中部リサイクル運動市民の会、すぎな、河田フェザーの3社でなごやハートステーションプロジェクトを立ち上げ、羽毛ふとんとリユース品の回収ができる障がい者施設を100箇所とすることを目標にしている。


今後の展望
リサイクル羽毛を使用した市場参入

当社は国内唯一の羽毛原料メーカーとして日本国内にダウンジャケットの市場を創出し、その後羽毛ふとん市場の成長を牽引してきた。1983年にホテルからの業務用羽毛ふとんのリサイクルを開始し、2013年にはアパレル業界における国内初のリサイクル羽毛の市場、そして2018年からはより循環率が高いリサイクル羽毛のふとん市場も新たに創出している。現在ふるさと納税の返礼品としてすでに出荷もしており、さらに寝装メーカーとも商談が進んでいる。2021年春にはリサイクル羽毛(グリーンダウン)を使用した肌掛けふとんが展開され、さらに新しいブランドも立ち上げ一般消費者向けに市場参入していく。

コメント

社長・担当者からの一言

ここ数年でリサイクル羽毛の認知が進み、国内で販売されている羽毛ふとん年間4-500万枚の内、5年以内に6-7%に当たる300tを回収目標とし、より循環率が高い羽毛ふとんとして寝装市場にもリサイクル羽毛を広げていく。代表取締役 河田 敏勝

お客様の声

長年使用してきた羽毛製品を焼却処分することなく、羽毛リサイクルすることで新たに製品として生まれ変わることで「環境保全に貢献できるので、思い切って手放し整理することができた」とありがたい声をいただいている。

※このページの情報はすべて2021年1月現在の情報です。

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